迷わず読めよ!プロレス名言アーカイブス

燦然と輝くプロレスラーによる名言!リングで激闘を重ねた彼らの口からほとばしる、示唆に富み滋味あふれる数々の名言があなたの人生に役立ちますように。

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プロレス名言No.007「元気ですかーっ!」byアントニオ猪木(燃える闘魂)

日本で一番支持者の多い思想とも言われる猪木イズム、その中核をなす思想がこの名言「元気ですかーっ!」から始まる「元気があればなんでもできる」である。

もともとはアントニオ猪木が参議院選当選に伴うセミリタイア期に、新日本プロレスのビッグマッチでゲストで呼ばれた際にリング上から発した小話が案外受け、気を良くして定番化したらいつの間にか数多い猪木名言の中で最も有名なものになっていった。

この言葉が有名になる過程は、1990年代中盤の新日本プロレスブームや90年代末〜2000年代前半の総合格闘技ブームと無縁ではない。

この言葉が生まれた90年代中盤の新日本プロレスの会場で、猪木が大声で叫ぶ「元気ですかーっ!」を聞くと、なんだか分からないが妙な説得力があり、確かに元気が湧いてきたものだ。当時、これを聞きたくて会場に足を運んだ猪木ファンもいただろう。そんな猪木のマイク、闘魂三銃士、団体対抗戦などのコンテンツを揃え、新日本プロレスは3度目の頂点を迎えた。

猪木はその後、自分の意向と無関係に隆盛を極める新日本プロレスとそりが合わなくなり、疎んじられた。時を同じくして立技のK-1や総合格闘技が勃興し、猪木はそちら側にシンボルとしての価値を認められ始めた。
猪木は総合格闘技イベント「PRIDE」の客寄せパンダとして「元気ですかーっ!」を大会ごとに連呼し始める。そのPRIDEからは桜庭和志やミルコ・クロコップ、エメリヤーエンコ・ヒョードルなどのスターが次々と生まれ、PRIDEブームが加熱する。猪木が「元気ですかーっ!」と連呼すればするほどPRIDEは元気になり、ファイトビジネスの頂点を極める。

しかしその過程でいつの間にか猪木はPRIDEからも疎まれ始めた。猪木抜きでもPRIDEは膨張を続けたが、しかしそれはいわゆる「フジテレビ・ショック」により突然弾けた。

猪木は新日でもPRIDEでも、団体が一番求心力のある時期に絶対ベビーフェースとして「元気ですかーっ!」とやっていた。そして団体の求心力に黒い影が差し始めた時に、いずれも団体側から切られ、フェードアウトしていた。

新日本プロレスは今世紀初頭から十数年にわたる暗黒時代をようやくくぐり抜け、今は闘魂三銃士全盛期に迫る勢いを生みつつある。
一方PRIDEのようなイベント型総合格闘技が日本で息をしなくなってから久しい。

猪木は結果として上手く使い捨てられることで最悪の時期に関わること無く自分のブランドイメージを向上させ、今はまた参議院議員である。
元気があればなんでもできる、これは真理だ。

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